以前にピクニック公式サポーターhttp://www.pick-nic.com/blog/2010/01/no7.htmlでもご紹介した、元レーサーで現在は車椅子ユーザーでもある長屋宏和さんが、8月12日に富士スピードウェイにてK4GP500km耐久レースという軽4輪でのレースに参戦しました。
長屋さんは、私と同じ頚髄損傷という重度障害を負われています。障害について簡単に説明しますと、首の骨を骨折した事により脊髄が切断され、首から下の運動神経、感覚神経などが麻痺するという障害です。
手足はほとんど麻痺してしまうので、自動車には手で運転するために手動装置を取り付け、左手でアクセル&ブレーキ、右手はハンドルに装具で固定して運転します。僅かに残された右腕の筋力のみでハンドルを回すので、カーブのきついコーナーは本当に危険です。
また、発汗機能も障害を受けるために体温調節も出来なくなり、真夏は体温が自然に38度に達する事もあり、霧吹き等で体温を下げてあげなければいけなくなります。。
それ以外にも、排尿、排便障害などもあり、普通ならレースなどに出場する事は余程の熱意と決意がないと不可能です。
以上のことを踏まえて、長屋さんからのレポートをご紹介しますので、皆様の生活に少しでも勇気や希望へと繋がればと思います!
『一昨日に富士スピードウェイにて参戦させて頂きました
K4GP500km耐久レースレポートをお伝えさせて頂きます。
今回のテーマである【挑戦】の言葉の通り、
今回の参戦は2004年12月のレーシングカートでのレース参戦後の挑戦となり、更にカートではなく、軽4輪の乗用車でのレースでした。
乗用車でのレースはスピードが高いことで危険性も上がり、
その部分で主催者であるマッドハウス杉山様とお話しさせて頂き、
オフィシャルの皆様のご協力で参戦可能となりました。
この安全面は慎重にしなくてはならない点と感じており、
無理することは危険につながり、
応援してくださる皆様をがっかりさせてしまう要因だと思っておりました。
【練習走行】
レース当日の午前中は台風の影響で大荒れでしたが、
動作の確認の為、チームでは最初に私がコースインをさせて頂きました。
1周の確認後ピットインし、手動装置から手が抜けてしまう問題点が発生し、すぐに対応し、再度コースイン。
走行し、問題ないこと確認し、次のドライバーに交代しました。
雨でも晴れでもサーキット走行は楽しいです。
軽乗用車でもストレートエンドでは140kmは出ていました。
2002年に参戦していたF3マシンと比べれば半分のスピードで
富士スピードウェイのストレートが凄く長く感じましたが、
面白さは何も変わりませんでした。
走行後は各社メディア様のご対応や応援にお越し頂いた皆様への
ご挨拶をさせて頂き、気付けばスタートの時間が迫っておりました。
【決勝レース】
スタートドライバーは私の友人であり、1999年に一緒にフランスでレースを戦っていた高崎保浩選手にお任せし、ピットインまでで9位まで浮上し、さすがレーシングドライバーとチームを沸かせてくれました。
私は3スティント目を担当させて頂きました。
スタート直後も降っていた雨も止み、コースイン。
練習走行の時にブレーキングを残した状態でフロント荷重にした際にステアリングが重くなり、ステアリングが重く、切れなくなるので、走りを変え、ブレーキングは残さず、スピードを殺さずに惰性でコーナーへ侵入する走りで対応しました。
この走りは一人であれば問題ないのですが、まわりに他車が居ると自分の走りが出来ず、思っていないマシンの動きをしてしまい、
一度、後ろから突っ込まれるかとヒヤっとした場面がありました。
走行中、セーフティーカーが入り、ガソリンもセーブ出来、セーフティーカーがピットに入り、レース再スタート後は一番危険だと感じておりました。
走るシケインにならないよう、抜いていく速いマシンを前に行かせ、ピットからの無線で交代ドライバーの準備が出来たことが分かり、9周、約25分間の走行を終え、ピットへ戻りました。
【走行中の思い】
走行前は楽しむ気持ちの反面、不安もあり、マシンから降りて一安心しました。
走行中は楽しい以上に悔しさのほうが大きかったです。
速いマシンに抜かれるのであれば譲る気持ちは普通のことですが、私と同等のタイムのマシンも、前に行かせ、なるべく危険なリスクを犯さないようにしていたことで、「なんでアクセルを緩めなければいけないんだ」と思ってしまう自分も居ましたが、その度にピットで応援してくださっている皆さんの顔を思い出し、無理して悲しませたくはないと再確認し、走行出来ていたことが何事もなく、無事ピットに戻れたと感じております。
【無事完走しゴール】
最後のドライバーである相川宏光様に交代し、
ドライバー5人全員がそれぞれ1回ずつのスティントを担当し、
周回数76周を走りノートラブルで無事ゴールを迎えることが出来ました。
今回の目標にしていた完走をチーム一丸となり、成し遂げることが出来、本当に感動ですし、嬉しいです。
順位は48位ですが、健常者なら1分掛らず出来るドライバー交代に10分以上掛ることを考え、初参戦でゴールを迎えることが出来たのは今回の目標以上の結果です。
午前中の悪天候の中、多くの皆様にお越し頂き、応援本当にありがとうございました。
今後も無理なく、安全面を重視し、活動の場を広げていきたいです。』
【その他の活動】
チェアウォーカーファッションブランドの活動では、
9月11日に三越銀座店4階に『リフォームサロン アトリエロングハウス』としてオープンさせて頂くことが決定しました。
バリアフリーの部分でも私のご意見を取り入れて頂き、
地下鉄銀座駅から直結のエレベーターや、店内のエレベーターや多目的トイレなど、動きやすい「三越銀座」、行きやすい街「銀座」となります。
http://www.imhds.co.jp/ir/pdf/news_release/hd/2010/100722_news.pdf
今後とも応援宜しくお願い致します。
長屋さんを支えてくれる周りのスタッフや応援してくれる方たちを気遣いながらレースに挑む姿が伝わりましたね。
これからも安全第一の車椅子ドライバーとして、ハンディキャップを持つ人たちの社会参加の発展のために頑張ってください!







本名: 長屋 宏和
